連日の電通への強制捜査関連のニュース。
実は、私自身も大切な人を過労が原因と思われる理由で亡くしているので、今回の事件は注意深くフォローしています。
「働く」ということが原因の死。
それも20代の若さで。
ご本人の苦しみや家族、まわりの方の気持ちを思うといたたまれません。
そして、こんな風に若い人が命を絶ってしまうことが、どれほどの社会的損失か・・・。
私達の国は、たくさん欲しいと両手の指の間をうんと広げ、そこからぽろぽろと宝物を落とし続けているかのようです。
こういうニュースがあると、まさに電通という会社は悪の代表になります。
そしてそんなブラック企業を「ひどい。」と思う私達は真っ当な良心を持った善だ、と感じます。
でも、ここでちょっと考えたいのです。
私は電通で働いたことがないのでその実情はわかりませんが、ニュースから垣間見える過酷な働き方を社員にさせるということは、
それを求める顧客がいるということです。
例えば、あなたが今年は家の大掃除をプロに頼もうと、いろいろな業者を調べたとします。
掃除の成果が同じならば、より安く、早くやってくれて、尚かつこちらが希望する日や時間に対応してくれる。
そんな業者を選びませんか?
「そんなの、あたり前じゃないか。」そう思いますよね。
でも、もしその安さの理由が、安い賃金で働いている人がいるせいだとしたら?
いつでも対応してくれるサービスの理由が、夜昼かまわず長時間働いている人がいるせいだとしたら?
それでも、やっぱり安くて、早くて、いつでもやってくれる業者を選びますか?
本当の黒幕は、善良な市民の仮面をかぶった私達一人一人かもしれないのです。
そしてこの仮面の黒幕は、映画に登場する影の黒幕よりもタチが悪いです。
なぜなら、映画の黒幕はだいたい一人であり、世界を制服してやるのだというはっきりとした自覚を持っています。
ところが、現実世界の仮面の黒幕は、自分が問題を引き起こしている黒幕であることを知りません。
自分がやっている行動の結果が何につながっているかについて、全く無自覚なのです。そして、恐ろしいことに、その人数は計り知れません。
昨年、政府は過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」を発足させました。国としても、この問題に本気なんだなと感じます。
でも、会社だけが変わればいいというものではないと私は思います。
「何を優先させるのか?」
私達一人一人の価値観の変革が求められます。
一番、優先順位の上にくるものは、「私達の心と身体の健康」です。
そして、お付き合いのある会社やあなたが買い物をする相手の「心と身体の健康」です。
100年前の1916年。女性には選挙権がありませんでした。選挙権どころか、女性だけで集会をすることもできませんでした。
つまり、女子会は違法だったわけです。
どう、思います? あり得ないですよねー!!!
100年後の2116年。私達の子孫が、『2016年の頃は、過労やパワハラが問題だったんだよ。』と聞いた時に、
「うそー!ありえなーい!!!」と驚く。
そんな社会をイメージしたいのです。
人の心や身体の健康が、あたり前のように優先順位の一番にくる。
世の中の価値観が今とは、がらっと変わっている。
そんな未来を創りたいと思っています。
そして、それができるのは、ごく普通の一般市民である私たち一人一人なのです。
noriko
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