久しぶりに大感動しました。

先日、友人の森田浩行さん、本村拓人さん主催「Design For Genius -才能をアクセシブルにするワークショップ」にて、

特定非営利活動法人FDA理事長の成澤俊輔さんの講演を聞いてきたんです。

(お写真はHPから拝借しました)

FDA – (Future Dream Achievement )は、障がい者、ひきこもり、ニート、ホームレス、うつ病患者、シニア、ワーキングプア等、「働きづらさ」を抱える人の就労支援をしていらしゃいます。

代表の成澤さんご自身も視覚障がいを抱えており、光がかすかに見えるだけなのだそうです。

そんな成澤さんのお話、とっても面白かったです!!!

 

障がい者や働きづらさを感じる方の就業支援、と聞くと、とても大変で苦労されているお話をイメージしてましたが…

 

私、成澤さんのお話を聞いて、

もう、頭の中が総入れ替わりするくらいの衝撃を受けました。

 

今まで、障がい者雇用というと、「社会的正義」や「社会に貢献する」ために、余裕のある企業が受け入れるもの、というイメージがありました。

 

でも、全然違いました。

むしろ、全ての企業が障がい者や働きづらさを抱える人を受け入れた方がいい、と思いました。

 

一番印象的だったのは、

業務で人を雇わない。

 

業務で人を雇うって、当たり前すぎるほど当たり前です。

 

営業職募集

インストラクター募集

経理募集

 

っていう枠に人をあてはめていく。誰もが疑わない社会のパラダイムです。

 

ところがそれではいつまでたっても障がい者や働きづらさを抱える人は、社会からはじかれたままです。

 

成澤さんの会社では、人がはじめにいる。

例えば、体に障がいがあって、指一本しか動かせない女の子がいる。

 

何ができるか?

何が強みなのか?

では、その「できること」「強み」を生かした仕事は何だろう?

 

そこから仕事を切り出していくのだそうです。

 

これは、障がい者に限ったことではないな〜と感じました。

何かのご縁で入社した人材。

 

一人一人が何ができるのか? 強みは何なのか? 

それを生かして仕事がつくれないか?

新しいことができないか?

 

そう考えると「人」が仕事を創っていける。

それは、企業にとってもイノベーションに繋がり、働く個人にとっても働く喜びに繋がります。

 

そして、障がい者が一人職場にいると、生産性が驚くほど上がるそうです。

一般的な会社員は、だいたい一日の労働時間の3割は無駄なことをしており、なかなかこの3割の無駄が無くせないそう。

ところが障がい者が職場にいると、他のどの方法よりこの無駄が少なくなるそうなのです。

 

なぜか?

 

例えば、あなたの隣に指が一本しか動かせない女性が、その一本の指で一生懸命パソコン操作をして仕事をしていたら?

意識が変わると思いませんか?

 

そういう職場では、社員の意識が「自分はなにをやっているんだろう?」「がんばっているあの人の助けになりたい。」というように変わり、生産性が上がるのだそうです。

 

実は私は20代の頃、中学校英語教員をしていたのですが、特別養護学級の音楽と体育も担当していました。自閉症と精神薄弱児の生徒達でしたが、とてもユニークで可愛くて、毎時間会うのが楽しみでした。

でも、「大人になってどんな人生を送るんだろう。」と、ふと彼らの将来を考えると不安で心配な、とてもネガティブな気持ちになったことを覚えています。

 

でも、成澤さんのお話を聞いて、すごく希望を感じました。

誰にでも強みがある。
そこから仕事は創れる。

 

ちなみにFDAで就労支援した方の就職定着率は、なんと90%(平成27年)! びっくりです。

 

成澤さんによると、Diversity(多様性)とは、

 

比べる相手がいないこと。

自分のできること。できないことを知る。

そして、誰がそれができるのかを知る。

 

様々な人たちが一つの場で、それぞれの個性や強みを生かして仕事をする。

近い未来の働く場のイメージ、ちょっと変わりました。

 

障がいを持っていたって必ず強みはある。

私にもあるし、アナタにも必ずある。

 

 

FDA ホームページ http://www.fda.jp/

成澤俊輔さんプロフィール http://www.fda.jp/aboutus/staff.html