毎日、何時間眠っていますか?

日本人の平均睡眠時間は7時間42分だそうです。(2011年 総務省統計局)

意外としっかり眠っているという印象ですが、これは子供からお年寄りまでの平均。実際に働き盛りの40代になると平均睡眠時間は7時間3分〜12分です。

あなたの睡眠時間は平均と比べて、どうでしょう?そして、その睡眠に満足していますか?

私の周りの友人に聞くと、だいたい6時間から7時間睡眠の人が多いようです。中には4時間と言う友人もいますが、だいたい皆、口を揃えて「その睡眠時間で十分。」と言います。

日本では、自分の睡眠に不満を感じている人の割合は14.9%。逆に言えば、75.1%の人は睡眠に満足していると言うことですね。

ところが、「自分の睡眠に満足している。」と思っていても、実際にはわずかに睡眠が足りていない人が多いことがわかってきました。このようにわずかな睡眠不足が蓄積している状態は睡眠負債と呼ばれています。

先日のNHKスペシャルでも、取り上げられていましたね。『NHKスペシャル 睡眠負債が危ない』。ご覧になった方も多いと思います。

ある研究によると、成人に必要な睡眠時間は7時間〜9時間です。(The national sleep foundation 2015)ごく稀に6時間以下の睡眠でも十分な人もいますが、それは全人口の1%。ほとんとの人は、8時間前後の睡眠が必要ということが研究結果から明らかになっています。

実際に体や脳の機能修復ができているということと、眠気を感じないということは別です。「眠気も感じないし、普通に仕事できているし大丈夫。」と思っていても、体の中では、わずかな睡眠不足の影響が蓄積していき、認知機能、健康状態に大きく影響をもたらすことがだんだんと分かってきました。

例えば、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上の人に比べて、前立腺癌の発症率は1.38倍、乳癌の発症率は1.67倍です。

睡眠不足や睡眠負債は、脳の働きや、筋力の働き、感情、意思決定能力に影響します。つまり、睡眠が足りていないと、本来の自分の能力が十分に発揮できず、感情のコントロール力も低下し、人間関係にも影響してくるのです。

仕事の時間を確保するために睡眠を削ることは、下りのエスカレーターを懸命に駆け上がっているような状態です。仕事で良い成果をあげたい人ほど、しっかりと眠るべきと言えます。

では、本来自分に必要な睡眠は何時間なのか?
週末に、何の制限もかけずに思う存分眠った場合、自分は何時間眠るのか調べてみましょう。

そして、平日もなるべくその睡眠時間に近づけるよう工夫をします。いつもより30分、それが無理なら15分、10分早く眠りにつくようにします。

ぐっすり眠った翌日の爽快感、そして仕事のパフォーマンスに注目してみてください。

仕事も、人間関係も、健康も人生も、眠った方がうまくいきます。人間にもともと備わった素晴らしい機能を使わない手はありません。もう少しだけ、眠りの時間を増やしてみてはいかがでしょうか?